LCCM住宅(ライフサイクスカーボンマイナス)住宅・建築物に関する研究
低炭素社会が盛んに議論される昨今、CO2削減はもっとも重要な政策課題となっています。一方で民生部門、つまり建築関連で使用されるエネルギー消費量は増加が続いており、そのための取り組みが急務となっています。
住宅分野では、運用時の省CO2だけでなく長寿命化の取り組みも盛んになっており、長寿命で、且つ一層のCO2削減を目標とした住宅として、ライフサイクルカーボンマイナス住宅(LCCM住宅)が注目されています。これは、住宅の長い寿命の中で、建設時、運用時、廃棄時において、できるだけの省CO2に取り組み、かつさらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出量も含め生涯でのCO2の収支をマイナスにする住宅であり、今後の住宅政策の柱の一つとなるものと期待されています。
本プロジェクトは、平成21年度より国土交通省の補助事業として,一般社団法人日本サステナブル建築協会内に「ライフサイクルカーボンマイナス住宅研究開発委員会(村上周三委員長)」を設置し、研究開発が進められています。平成22年度には建築研究所内にデモンストレーション住宅を建設し、具体的な検討、検証を行うとともに、デモンストレーション住宅の見学会の開催等を通じて、LCCM住宅の普及促進に努めています。
令和3年度からは、対象を建築物に広げ、「LCCM住宅・建築物研究開発委員会」(村上周三委員長)として研究を行っています。
LCCM低層共同住宅部門の基本要件(LCCO2) 適合判定ツールについて
戸建住宅版LCCM適合判定ツールの拡張版として、低層共同住宅を対象としたLCCM適合判定をするツールです。
本判定ツールは「CASBEE-戸建(新築)2018 年版」におけるLCCO2排出量の算定方法を参考に開発されています。共同住宅は複数世帯が居住するため、住戸数、更に共用廊下・階段など共用部分を考慮した算定手法とし、判断基準となるLCCO2排出量の結果が算定されるようになっています。本判定ツールでLCCO2排出量が 0 kg-CO2/年・棟以下であれば、適合」と判定されます。
※コジェネ逆潮が有る場合を除く (現時点では「CASBEE-戸建(新築)2018年版」がコジェネ逆潮評価に未対応のため)
本判定ツール及び入力マニュアルは、下記の■ツール・マニュアルのダウンロードからダウンロードすることができます。
LCCM住宅認定
LCCM住宅認定制度については、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構で実施しています。詳しくは下記リンクをご覧下さい。
→LCCM住宅認定
LCCM評価ツール
■ツール・マニュアルのダウンロード
→LCCM住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール 2019年版(v1.0)
→LCCM住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール 2019年版 入力マニュアル(v1.0)
※LCCM住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツールは、2024年秋に低層共同住宅部門と同様の改訂を予定しています。
※評価におけるご注意 2019.4.15
逆潮流を伴うコージェネレーションの評価を含める場合には、適合判定ツール2019年版Ver1.0をご使用ください。CASBEE戸建(新築)2018年版では対応しておりません。
→LCCM低層共同住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール2024年版(v2.0)
→LCCM低層共同住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール2024年版 入力マニュアル(v2.0)
★入力マニュアル及び適合判定ツールの更新版(v2.0)を2024年5月15日付で公開しました。
※以下の変更を行いました。
1)評価範囲の変更(「国内消費支出」から「海外消費支出」への変更)
2)運用段階における評価範囲の変更(「その他エネルギー消費」を除く変更)
3)各種建材(窓、内装など)の更新周期の見直し
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)についてはこちらへ